
キモチを言葉にして、伝えようとしても、何分の一も伝えられない。
相手に届いた瞬間、その言葉は何重ものフィルターにかけられ、
本当の「意味」が、心の奥底へとうっすらと消えてゆく。
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先生「いつ、どうなってもおかしくない状態です。」
自分「わかっています。」
いや、本当は、わかりたくない、心を閉ざして、何もかも捨てたかった。
抗がん剤を使用しなければ、すでに今ここにいない。
副作用で、すべて抜け落ちた髪の毛。
吐き気、微熱、眩暈、身体の痛み。
心の悲鳴が、静かに、深く深く・・・・・こだましていた。
「た・す・け・て・・・・・」
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私は、今も肌身離さず、24時間どんな時も、手術の時も身につけている、
ランス・アームストロングが発足させた、「LIVESTRONG」のリストバンド。
1つを、院内で知り合った乳がんの人にプレゼントした。
だけど、その人はもういない。
残ったのは、その人が最期まで身につけてくれていた、このリストバンド。
何か役に立てたのかな。私は私にできることを、その人にしてあげられたのかな。
院内で、いろいろな人と知り合った。
こんなにまで世の中が、そして医学が発達しても、まだ未知なる手の届かない神の領域がある。
どれだけ優秀な先生でも、どれだけのお金をつぎこんでも、どれだけの機材が揃っていたとしても。
みんな「そのリストバンド欲しいな。」って、言ってくれた。
あげたいけど、なかなか自分も自由が利かない。親戚も多忙を極め、これ以上頼めない。
ある親友にお願いしたら、「代わりに買ってきてあげる。」と言ってくれた。
仕事で忙しくて時間がなかなか取れないのに、この猛暑の中、わざわざ買ってきてくれて、本当にありがとう。
手元に届いたリストバンドを、早速、プレゼントした。
その人が一言。
「これで、繋がっていられるよね。ずっと。」
たかが、単なる1つのリストバンド。
着けてたからって、病が治る訳じゃない。
人によっては、「ランス・アームストロング? LIVESTRONG? なにそれ。」となるかもしれない。
繋がり方にもいろんな方法がある。
私は、このリストバンドの意味は、その人がつければいいと思ってる。
別に、「常に強く生きようぜ!」なんて、これっぽっちも思ってない。
泣きたくなるぐらい弱っちい自分がここまで、これたのは、これのおかげでもある。
そこに言葉が無くても、私は、このモノに意味を込め、身につけることで、
今この瞬間、今ここに生きている。そう。確かに言えることは、「私は今、生きている。」ということ。
生きててなんぼ。
いろいろあるさ。
・・・・・一緒に、この1秒、次の1秒を生きようぜ。

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